部下に育って欲しかったら、まず自分からー前編ー

私の仕事の一つとして、企業の管理職に新しくなられた方の面談を録音してもらい、コーチングの観点から、部下との関わりについてアドバイスすることがあります。

面談にコーチングを効果的に取り入れてもらうために実施していて、当初はスキルの取り入れ方や、信頼関係が構築できる管理職の姿勢についてアドバイスをしていました。

このアドバイス業務を始めて3年経つのですが、今更ながらわかってきた「部下が育つ関わり方」「育ちにくい(育たないとは言いません)関わり方」を書いてみたいと思います。

 

1,   上司が自分のなかに明確な根拠や判断基準を持つことが大切

当たり前のように思う方も多いと思いますが、普段から意識的に自分の仕事について考えている人でないと、自分独自の考えや判断基準がなく、なぜその仕事をしなければならないのか、意外に明確に説明できないものだな、と思います。上司の方に一本芯が通った考えや価値観があって初めて、その刺激を受けた部下の思考が活発化され、部下も上司の影響を受けながら独自の考えや価値観が作られていきます。ここで気をつけなければならないのが、上司側は「根拠や判断基準を含めて明確に伝えているつもり」でもそうではない時があることです。

例えば上司から面談でこのように言われたらどうでしょう?

「◯◯業界の人間なら、これができるのは当然なので努力してください」「◯◯をするのは会社で決められたことなので、忘れないようにしてほしい」

この伝え方だと、相手は仕事の意義を理解したり、課題ができるようになった後のメリットも想像できず、「やらなければいけない」という気持ちだけで仕事に取りかかることになります。

私が想像するのは、「ロボットや兵隊を作る関わり方」のイメージです。「この仕事はこういうもんなんだから、つべこべ言わずにやる」、そういう部下を作る関わり方ですね。

個人の感覚ですが、この関わり方は、管理職になったばかりの方に、高確率で出現する感覚です。

また人間味や人情味ある上司なんだけど、言うことを聞く大人しい部下ばかりできて、次の管理職候補が育たない場合も、上司本人に部下を触発する軸が無いケースもあるように思います。

恐ろしいのは、自分もうっかりやっていることです。

この「ロボットを作る関わり方」に気づいてから、自分の言動や振る舞いに意識を向けてみると、結構自分もやっていることに気づきます。

あるときに、クライアントさんからコーチングの禁止事項について質問され、「あ、それはコーチの倫理で◯◯と決まっていますね」と即答したことがありました。すぐさま、そこに自身の意見が0%であることに気付いて、自分で自分に驚いたものです。(クライアントさんに、「私の言葉で話していませんでしたね」とお詫びして、質問の真意を聞き、自分の考えを回答しました)

こういった思考停止は、悪気があってやっているものではなく、会社や業界、あるいは社会の「常識」や「あたりまえ」に自分が飲み込まれて良く見えてなくなっていることが原因ではないかな、と思っています。

自分が「当たり前」だと思っていることこそ、「本当にそうなのか?」と問いを持ち、自分の言葉で答えが語れて初めて、相手にも影響与えることができるという気づきです。

シェアやリブログ、コメントを歓迎しています。