CTI上級コースに参加して良かった3つのこと

先日、CTI上級コース時代のチームメイト久しぶりに会いました。

私たちが受講した時期は2014年の年末〜2015年の春の初夏にかけて。上級コースのチームは、1チーム9人なのですが、この日はそのうちの3人が集まりました。(あと一人、来るはずだったんですが、インフルエンザで残念ながら来れませんでした)

左から、

深澤理恵コーチ、私、植田早紀コーチです。来られなかった1人を含めて、とても大切な仲間です。久ぶりのフレンチも本当に美味しくて幸せな時間でした〜。
(持っているのは、バレンタインの友チョコです)

 

そして、その場で話題に上ったのは、もちろん上級コース時代のできごと。

話しながらその時のことを思い出していたんですけど、私、上級時代ってほんとに悩んでたんですよね。コーチングが上手くならないことに悩み、家事や育児との両立に悩み、上級コース後の今後に悩み。今から振り返ると「コーチのあんたがそんなに悩んでどうする。重い。重すぎるよ・・・」と声をかけたいほど、とにかくひたすら悩んでいました。

 

「こんなに苦しいのは自分だけなんだろうか?みんなはどうなの。もし悩んでるとしたらどうしたのか聞いてみたい。」と思い、上級コース体験談を探してググってみるんですが、コース中に気持ちを吐露している人はほとんどおらず、唯一見つけたのは、2006年の上級コースに在籍していた大先輩の、当時の心境が綴られているもののみ、でした。

 

見つけたブログは私とは違うことについて悩んでいたり、内容も抽象的ではっきりとわからないこともあるのですが、それでも「同じ境遇の人がこんなに悩んでいるなんて、共感する〜」と慰められ、後年そのコーチとお会いした時には、「あの時勇気付けられました!」と大いにお礼を述べ、びっくりされたものです。

 

ということで、これから時々、2015年に上級コースを受講した当時を思い出し、過去の自分が欲しかったであろう、現在上級中の、もしくは上級コースに行こうか悩んでいる人の、疑問を解決する手助けになる記事を書いてみたいと思います。

 

ものすごーくニッチな範囲の読者に向けて書くので、そもそもの「CTIとは何か?」「上級コースって何?」っていうところは、もう知っちゃってるということで、飛ばします。
もし知りたかったら、CTIのホームページをご覧ください。

https://www.thecoaches.co.jp

 

さて、今日は上級コースにすすむメリットについて考えてみたいと思います。

上級コースは決して安い値段ではありません。自己啓発界でもかなりの高額出費の部類になると思います。学びが果たして割りに合うのか、気になるところですよね。

 

さらに学びには時間がかかります。対面ワークショップの基礎・応用コースとは異なり、電話会議方式のため集まりやすいものの、忙しいビジネスパーソンや家庭人が週に1度、19時半〜21時まで必ず拘束されるというのは、やってみるとかなりの負担です。

なので申し込む前は迷いましたし、学んでいる間も「これを自分の将来にどう繋げ行こう〜」ということに悩んでいました。

上級コースが終了して1年半。「やっぱり上級に申し込んで良かった」と思うことがたくさんあります。それを述べていきますね。

 

1. コーチングがうまくなる

あたり前の話ですが、コーチングは上手になります。

他団体の「プロコーチ資格」を調べたことがあるのですが、CTIのそれは、格段に時間がかかります。200時間の学びと100時間の実践。最後に筆記と実技テスト。ここまでやってるところはありません。

上級コース中は、複数のファカルティが関わってくれ、礎や指針といった「わかっているようでわかっちゃいなかった」ものについて、改めて丁寧に教えてくれます。練習も実践も今までとは比べ物ならないくらいやらないといけませんし、自分のセッションに対し、フィードバックをもらう機会が何回もあります。これが基礎・応用との一番の違いだと思います。

やはりプロとして活躍している人から、直接自分のコーチングについてアドバイスをもらい、改善すべきところを具体的に知ることは、成長の一番の早道でした。

実は学んでいる最中は、コーチングが進歩している実感が感じられず、相当悩んでいました。自分が泥の中を這いずり回っているイメージ・・・を持ってましたね。

終了した今だから振り返ると、実践時間やスーパーヴィジョンを積み重ねるごとに上手になっているのですが、急に上手になるわけではなく、すこーしづつなので自分で気づかないし、ついつい上手な人と比べてしまって自分に駄目出しをしていたのではないかと思います。

コーチングスキルが身につくと、ファシリテーションや面談・面接に応用できるので、会社でも活かせます。

何より、今プロコーチを名乗って、セッションを提供できています。

上級コース中に培った力が、今の自分の基礎になっていると断言できます。

 

2. 断られる強さが身につく

上級コースで一番の壁と言えば、有料クライアントの獲得じゃないでしょうか。

資格を取る前から、セッションにお金をもらわないといけないので、心理的な壁が半端ない高さです。この壁が高すぎて挑戦せずに諦めてしまう人も多そうです。

とは言っても、クライアントになってもらうには「なって欲しい」と言わないといけません。「サトラレ」でもない以上、誰も察してくれません。実際に言葉に出して頼むしかない。言うしかない。言うしかないんです。

で、みんな勇気を出して、口に出してみるんですが、これが結構な確率で断られます。

「時間がない」「自分で本を読んで変わっていきたい」返答としてはこのあたりが多いです。改めて書いてみると、完全に相手から警戒されてる!

 

断られるとダメージを受けるし、積み重なってくると、ほんとに落ち込みます。自分に魅力がないのかな〜と考えたり、これまでのコミュニケーションを反省したり。

サンプルセッションを受けてから断られるのも、ダメ出しされたようで、さらに傷は大きいです。

 

で、これを繰り返していくと、不思議なんですがある時から、断られ慣れしてきます。
気軽に「コーチング受けてみたら?」と言えますし、そもそも言ったことを忘れるので、返答を待つ時間がありません。断られると、「きっと相手にとって今はその時じゃなかったんだ」という、いい解釈ができるようになります。

 

この「自分が傷つくかもしれないことを乗り越えて、やりたいことをやっていく」という行為ができるようになることは、何か新しいことを始めるために、役立ってくれます。未知のものに取り組む時には、必ず出てくるサボタージュですからね。

 

 

3. こなせるタスクの量が増える

週に1回、グループコールやSkypeでの練習会に出る以外に、1年以内に100時間のセッションを積み上げます。平均すると、一ヶ月に10〜20時間のセッションをすることになりますね。

今までの生活の上にそれらが乗ってくるので、さあ大変。

グループコールは、家からゆっくり入れるとは限らず、誰かが会社から、出張先のホテルから、帰りの電車の中から、インしてました。

私は子供がまだ4歳と一人にはしておけない年齢だったので、セッション時間や練習会(スキルドリル)の参加に苦労し、やたらと早朝5:30〜のSkypeが多かったです。

他に文書での課題提出もあり、結構な時間が必要です。
「あの頃を思い出すと、みんな気が狂ってたよね」と、こないだチームメイトのコーチが言っていました(笑)

 

この生活を半年続けるとどうなるか、というと、自然に自分の「タスク量の限界突破」ができています。

自分が今まで「これぐらいの量しかこないせないだろう」と思った日々の仕事量は全くの思い込みで、やりこなしていくことで、自信がつき、もっと沢山の量をこなせるようになります。

 

さらに、100時間セッションをこなすことで、礎の「今この瞬間からつくる」が腹に落ちます。起きるできごとをありのままの受け止め、「何が起きても大丈夫。そこからまたつくればいい」という考え方が身につくので、会議やミーティングの準備にかける時間が本当に減りました。

準備をしないというわけではありません。
会議前の根回しや、想定問答作成、念のための資料作成など、「もしこんなことが起きたらどうしよう」という恐れからの行動が無くなる感じです。

本当の意味で生産的なこと、必要なことに時間を使えるようになったと実感しています。

結論
コーチングが上手になることは、申し込むか悩む人なら、誰しも期待するところだと思いますが、それ以外にも副産物的に得られることがあり、それが今後の人生に役立つことになります。プロコーチを目指す人だけではなく、企業の中で働く人も活かせる学びだと思います。

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ここまで書いてみて、あの忙しかった日々を懐かしく思い出しました。

 

学生時代は複雑な家庭環境に気を取られ、やる気もエネルギーも足りない学生だったので、改めて一生懸命になれる時間を持てたことは、学生に戻ったようで楽しかったんです。

「何につながるのかわからないけど、やりたいという気持ちに突き動かされてやってみる」というのは、本当に勇気のいることです。

私も直接、「コーチングの資格があっても食べていけないんでしょう?」と言われたことがあります。本当にその通りで、コーチだけで生活できる人は一握り。私も研修講師と両方やっています。

 

ただどのような資格であっても、結局それを活かすかどうかはその人次第。教師、看護婦、保育士と、就職にすぐに結びつきそうなライセンスを持っていても、全く違う職についている人はたくさんいます。

「やってみたい」という気持ちの奥に、どのような願いがあるんでしょう?

私は、上級コースに行く前は、CPCCを持っている自分は想像できませんでした。
自分には無理だな、と感じていたんです。

でももとても楽しそうにコーチングしている先輩たちを見て憧れ、自分もあんな風に楽しそうに自由にコーチングできる人になってみたいとも思いました。

CPCCを取得してみると、軽やかな「自由に楽しく」より、泥の中をはいずっても諦めない「根性と粘り強さ」が自分の持ち味だなあと思いましたが、予想外な自分が発見できるのが、上級コースの一番のメリットなのかもしれません。

 

 

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